中国人とお酒①
或る商社マンの友人から聞いた体験談です。そのA氏は、青島にある中国企業の董事長と契約前夜に会食となりました。董事長から「今日、もしもお酒で貴方が私に勝ったら、明日の契約は無条件でサインしましょう。」と言われたました。
さて、翌朝になって、A氏は、その董事長の会社に行ったところ、いつまで経っても会えません。いくら時間にルーズな中国人でも3時間は待たせ過ぎだろうと秘書に文句を言いに行ったところ、秘書は「貴方知らないのですか?董事長は入院していますよ」。驚いたA氏は、大慌てで病院に行き董事長に面会しました。大変申し訳無かったとA氏は平謝り。それに対して董事長曰く「約束通り契約書にサインするから契約書を持ってきてください」。こうしてA氏は重要な契約を結ぶことが出来ました。
青島は中国でもトップクラスにお酒の盛んな土地柄です。私の知っている中国人も残念なことに青島のお酒んで命を落とした人もいます。70度の白酒などもあったりしますが、白酒だけでなくワインや有名な青島ビールなど、なんでもありです。考えたら三国志でも項羽と劉邦などでも戦争をやっているのに常に宴会を開いています。鴻門の会なども酒席での話であり、本当に中国人ってお酒が好きですよね。日本では、仕事で仲良くなったら次は一緒にお酒でもということがありますが、中国は先ずお酒を飲んで人柄を把握した上でビジネスになります。つまり、ビジネスの前に人間関係が無いとビジネスにならないということです。ですから、潰れてもしっかりと飲んで自分を曝け出すことが喜ばれます。自制して飲み方も遠慮がちで自分を曝け出さない人に対しては、相手も警戒心を解かないままビジネスに臨まれるということです。もちろん、本当に飲めない体質の方もいますので、そうした場合は飲めない体質であることをちゃんと言えば良いようです。ちなみに日本の場合は、戦の最中に宴会をやって戦いに負けた桶狭間の戦いというのもありましたが、、、。やっぱり農耕民族の日本人と狩猟民族の中国人は違いますね。